教育活動

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教育活動について

鉄祐会では教育に力を入れています。一言で教育といいますが、鉄祐会では多面的な取り組みを意識しています。
これから在宅医療に取り組む医師を専門医に育てること、医学生や研修医に在宅医療の経験をしてもらうこと、地域の他職種とともに学び考えること、地域住民の方と対話する、などこれまで取り組んできました。職種むけ勉強会や対話の場を作るなど拠点ごとに取り組みをしています。

明日から役立つ知識の共有だったり、ちょっともやもやしたことを共有したり、クリニックごとに形は違いますが、ともに学び、考えることを大事にしていきたいと思っています。

在宅医療専門医研修プログラム

鉄祐会では在宅医療専門医の教育を通して、質の高い専門医の育成に取り組んでいます。
教育の軸となるのは「家庭医療学」です。

家庭医療学とは、臓器にこだわらず、患者さんの生活や家族など取り巻く環境も含めて総合的に患者さんを診る、「総合診療」と呼ばれる新しい専門領域の基盤となる学問です。在宅医療は単に病院での医療を家でやればいい、というわけではありません。
それまで病院で専門家としてやってきたかかわり方とは全く異なる仕方で患者さんとかかわる必要があります。
そのためには、医師自身も大きく自分を変えることが求められます。

鉄祐会での研修では、理論的な学びと対話をとおした振り返りを通して、土台から在宅マインドをもち、地域のケアチームの皆様と協働できる医師の育成を目指しています。

研修プログラムの特徴

在宅医療をはじめとしたプライマリ・ケアは「いい加減にやるならこれほど簡単なことはなく、きちんとやろうとするとこれほど難しいことはない」といわれる、奥深い専門性を持っています。
鉄祐会は質の高い専門医育成を重視し、2015年から在宅医療専門医育成のための研修プログラムを運営し、多くの専門医を輩出しています。
優秀ポートフォリオに選出された修了生も少なくありません。現在は2年間の研修プログラムで研修に取り組んでいただいています。

  1. 特長

    家庭医療学理論を基盤にした学術的な指導在宅医療は医学的に正しいことを追求するだけではないため、指導医個人の経験ベースの指導になりやすい面があります。鉄祐会では学問的な理論を踏まえた定期的なふりかえりを通して、ゆるがないジェネラリストとしての診療の型を身に着けていただきます。

  2. 特長

    豊富なキャリアチェンジ支援経験もともと病院で臓器別科出身の先生が在宅医療に転向する際には、様々なギャップを感じて困ることも多いです。経験豊かな指導医チームでスムーズなキャリアチェンジを支援します。

  3. 特長

    研修後も成長し続けられる仕組み専門医取得は医師として学び、成長しつづける通過点に過ぎません。指導医として教育にかかわる、臨床研究にかかわる、大学院に通学する、緩和ケアの専門研修に移行する、など様々な研修後の学びの場が用意されています。

研修受講者の感想

研修受講者

研修を始めた当初は、在宅医療の場で直面する家族や周囲のケアスタッフが関係する問題に対し、自分が病院で行ってきた「医療的な側面」からのアプローチでは解決が難しい場面が多々ありました。
しかし、指導医から指導を受ける中で、家庭医療の視点を取り入れ、そのことで対応の幅が大きく広がることを実感しました。研修の中で印象に残っているのは、私が診療で困った際に、すぐに相談できる環境が整っていたことです。ただ単に具体的なアドバイスを与えられるのではなく、対話を通じて悩みのポイントを明確にし、どのように考えて対応すべきかを整理するのを手伝ってもらいました。うまくいっていないところに目が行きがちでしたが、現時点でうまくいっている点も一緒に見つけてもらえたことが非常に心強かったです。

研修医・医学生向け研修

当法人では、医学部の実習や研修医プログラムで、見学研修を受けています。病院内ではイメージすることが難しい在宅療養の実際を見学していただきます。
研修生の感想を一部ご紹介します。(JCHO初期研修プログラム、東京医科歯科大学プライマリケア実習,東大医学部研修等)

研修受講者

病院では気にかけづらい患者家での生活背景に寄り添う良い機会となりました。また、患者さんだけでなく家族の方々に対して、様々な職種が携わっており、病院とは違ったチーム医療を体験することができました。今後、在宅医療がより重視さて行くであろう日本社会で、勤務医として働く私自身も、学んだことを活かし、病院と在宅医療の関係性をよりよい方向にできたらと思いました。

研修受講者

訪問診療に同行させていただき、大変勉強になるとともに、先生方の知識量の多さが印象的でした。特に病院での治療と在宅での治療は使用する薬剤も、内容も在宅で可能なものにしなければならなかったり、患者さんが継続して医療を受けられるように環境や制度を整える必要がある点が難しいと感じました。

外部医療関係者向け研修

患者さんは、病院に治療を受けるために入院します。患者中心ではあるものの、病院内のルールや予定に合わせて時間が流れていきます。
治療を終えて、自宅に戻られた患者さんは、自分の生活の中で療養を継続していきます。
病院の中にいるスタッフには、ご自宅での療養がどのように継続され、患者さんがどう過ごされていくのか、想像ができないことが多々あります。
その人らしい過ごし方ってどういうことなのでしょう。

在宅医療の場を見学していただくことで、入院中のかかわり方へ変化が起こります。
毎年、九段坂病院の退院支援研修プログラム内で、1日在宅医療の見学研修に来ていただいています。
いつもとても素敵な感想をいただきます。たくさんの気づきを得ていただいたことに嬉しく思い、また私たちの実践を振り返ることにもなります。
研修生の感想をご紹介します。

研修受講者

前立腺がん末期の方の、病名をカルテで見た時は深刻な状況と患者・家族が落ち込んでいる様子を想像していた。実際訪問すると、ご本人たちは笑顔で生活されていた。在宅で過ごすことで大好きな家族といつでも会える喜びを話され、自分らしく生きていると感じた。

研修受講者

在宅で生活されている方々の診療を見学し、臨床への取り組み方や考え方を変えられた経験となった。退院支援を行うにあたって、まず安全な生活が第一として考える。。しかしその中に、「その人らしい在宅での生活」という考えが入っていなければ、QOL 向上にはつながらず自宅でも思い通りの生活が行えないと感じた。不安な身体状態であっても、本人のHOPEが達成していれば、その人らしい生活の実現も可能である。

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